利益およびフリーキャッシュフローが拡大。厳しい供給環境下でも売上増。 第4四半期も好調な業績を予想

2021/08/11 | 四半期レポート

2021/8/3 | 四半期レポート

  • 2021会計年度第3四半期:売上高は27億2,200万ユーロ、事業部合計利益は4億9,600万ユーロ、事業部合計利益率は18.2%、フリーキャッシュフローは4億7,700万ユーロ。
  • 2021会計年度第4四半期見通し:平均為替レートを1ユーロ=20ドルとする想定に基づき、売上高は約29億ユーロと予想。この売上高に基づく事業部合計利益率は約19%と予想。
  • 2021会計年度通期見通し:2021会計年度第4四半期見通しに基づき、通期売上高は約110億ユーロと予想。この売上高に基づき事業部合計利益率は18%超と予想。投資額は引き続き約16億ユーロを計画。フリーキャッシュフローは約15億ユーロと予想。

2021年8月3日、ノイビーベルク(ドイツ)

独インフィニオン テクノロジーズは本日、2021会計年度第3四半期(至2021年6月末)の業績を発表しました。

インフィニオンの最高経営責任者(CEO)、ラインハルト プロス(Dr. Reinhard Ploss)は、次のように述べています。「半導体はエネルギー転換やデジタル化の鍵となる役割を担っており、需要が途切れることなく続いています。しかし市場は現在、供給面で極めて厳しい状況に直面しています。在庫が歴史的な低水準に達したため、当社の半導体チップは製造工場から直接、最終用途向けへと出荷されています。こうした状況では、最近のマレーシアのような、パンデミックに伴う製造面での制約が課された場合、特に深刻な影響が出ます。当社はバリューチェーン全体にわたる問題を改善するため全力を尽くしており、さらにお客様の利益を最優先とするため可能な限り柔軟に対応しています。また同時に生産能力を継続的に増強しています」

2021 会計年度第 3 四半期グループ業績

インフィニオングループの2021会計年度第3四半期の 売上高は、前四半期の27億ユーロから2,200万ユーロ増加して27億2,200万ユーロとなりました。底堅い需要が継続しているにもかかわらず、パンデミックに関連したマレーシア、マラッカ州での製造能力への制約や、テキサス州オースチンでの大雪の余波のため、売上高の伸びはわずか1%に留まりました。こうした要因が影響し、オートモーティブ(ATV)事業部とパワー&センサーシステムズ (PSS) 事業部の売上高はいずれも前四半期からわずかに減少しました。対照的に、インダストリアルパワーコントロール(IPC)事業部とコネクテッドセキュアシステムズ(CSS)事業部の売上高は過去最大の伸びを達成しました。

第3四半期の 粗利益率は前四半期の36.0%から39.1%へ大きく改善しました。 調整後粗利益率は前四半期の39.3%から41.8%に拡大しました。

事業部合計利益は前四半期の4億7,000万ユーロから4億9,600万ユーロに増加し、 事業部合計利益率は17.4%から18.2%に改善しました。

非事業部損益は前四半期1億5,600万ユーロの純損失に対し、1億4,900万ユーロの純損失となりました。第3四半期の非事業部損益の内訳は売上原価7,400万ユーロ、販売費および一般管理費6,000万ユーロ、ならびに研究開発費600万ユーロでした。これらに加え、その他の純営業費用として900万ユーロが発生しました。

営業利益は前四半期の3億1,400万ユーロから3億4,700万ユーロに増加しました。

財務収支は5,600万ユーロの費用で、これに対し前四半期は4,200万ユーロの費用でした。

法人所得税費用は前四半期の6,200万ユーロから4,900万ユーロに減少しました。

継続事業からの利益は前四半期の2億900万ユーロから2億4,500万ユーロに増加しました。 非継続事業からの損益は前四半期の600万ユーロの損失から、プラスマイナスゼロとなりました。この結果、 純利益は前四半期の2億300万ユーロから2億4,500万ユーロに改善しました。

継続事業からの 1 株当たり利益は0.18ユーロ(基本的および希薄化後とも)で、前四半期は0.15ユーロでした。 調整後 1 株当たり利益 [1](希薄化後)は前四半期の0.24ユーロから0.27ユーロに増加しました。

当社が有形固定資産および無形資産の購入額、ならびに資産計上された開発費の合計として定義する 投資額は、前四半期の3億3,200万ユーロから2億8,500万ユーロとなりました。償却費および 減価償却費は前四半期の3億6,800万ユーロから3億8,000万ユーロに増加しました。

第3四半期の継続事業からの フリーキャッシュフロー [2]は引き続き改善し、前四半期の4億700万ユーロから4億7,700万ユーロに増加しました。 継続事業での営業活動による純キャッシュフローは、前四半期の7億4,200万ユーロから7億6,200万ユーロに増加しました。

2021会計年度第3四半期末(2021年6月30日)現在の グロスキャッシュポジションは、前四半期末(2021年3月31日)の34億4,400万ユーロから38億6,300万ユーロに増加しました。 純負債額は34億1,500万ユーロからさらに減少して29億4,500万ユーロとなりました。 グロス有利子負債額は前四半期末の68億5,900万ユーロから68億800万ユーロに減少しました。

2021 会計年度第 4 四半期見通し

平均為替レートを1ユーロ=1.20ドルとする想定に基づき、当社は2021会計年度第4四半期の 売上高が約29億ユーロになると予想しています。需要は大きく拡大しているものの、今四半期初めにパンデミックに関連してマレーシア、マラッカ州で発生した製造面での制約を含め、全体としての供給に関しては厳しい状況が続いています。このようなボトルネックが継続していることを踏まえ、ATVとIPC事業部の売上高は第3四半期と同様な水準に留まると予想されます。CSS事業部の売上高は微増の予想。PSS事業部の売上高は、主にスマートフォンへの需要回復により大幅に増加する見込みです。現時点での売上高予想の水準において、 事業部合計利益率は約19%になると予想しています。

2021 会計年度通期見通し

第4四半期に予想される売上高、ならびに為替レートを同様に1ユーロ=1.20ドルとする想定に基づき、2021会計年度通期の 売上高は約110億ユーロと予想しています。この売上高の水準において、 事業部合計利益率は18%超と予想しています。

2021会計年度通年での有形固定資産、無形資産、および資産計上された開発費への 投資額は、従来と変わらず約16億ユーロを計画しています。 減価償却費および償却費も従来と変わらず15億ユーロから16億ユーロと予想しており、このうち約5億ユーロは主としてサイプレス社の買収、および少額ながらインターナショナル レクティファイアー社の買収に伴う、取得原価配分の減価償却費および償却費によるものです。 フリーキャッシュフローは約15億ユーロと予想しています。

地政学およびマクロ経済学的要因に加え、新型コロナウイルスのパンデミックによる経済の混乱により、現在、正確な業績予測が困難な状況です。パンデミックの間を通じて予想される売上高と利益の推移に影響を及ぼす主な要因には、世界全体での感染率の経時的変化、ワクチン接種の進展状況、経済活動に生じ得る制約、生産とサプライチェーンへの影響、および政府による景気刺激策がどの程度奏功するかなどが含まれます。

2021 会計年度第 3 四半期の事業部別業績

ATV 事業部の 2021 会計年度第3四半期の売上高は、前四半期の12億1,900万ユーロから12億500万ユーロとなりました。すべての製品分野で需要増大が続いたものの、製造能力面での制約のため売上高は1%の微減となりました。 事業部利益は前四半期の1億9,700万ユーロから1億9,900万ユーロにやや増加し、 事業部利益率は16.2%から16.5%に改善しました。

IPC 事業部の第 3 四半期の売上高はすべての製品分野で拡大。前四半期の3億6,100万ユーロから大きく14%増加し、4億1,200万ユーロとなりました。産業用ドライブと再生エネルギー分野での需要が特に好調でした。 事業部利益は前四半期の5,900万ユーロから8,200万ユーロに増加し、 事業部利益率は前四半期の16.3%から19.9%に改善しました。

PSS 事業部の第 3 四半期の売上高は、スマートフォン向けコンポーネント分野の一時的な減少、および製造能力面での制約を主因として前四半期の7億8,700万ユーロから7億5,700万ユーロに減少しました。サーバ関連の製品による売上高はやや増加し、バッテリー駆動アプリケーション関連の事業も引き続き好調でした。 事業部利益は前四半期の1億8,400万ユーロから1億6,700万ユーロとなり、 事業部利益率は前四半期の23.4%から22.1%に低下しました。

CSS 事業部の第 3 四半期の売上高は前四半期の3億2,900万ユーロから5%増加し、3億4,600万ユーロとなりました。政府系ID製品への需要増加と、マイクロコントローラおよびコネクティビティ関連製品において外部の生産能力がやや増加したことによるビジネス拡大が主な要因です。 事業部利益は前四半期の3,000万ユーロから4,700万ユーロに、 事業部利益率は9.1%から13.6%に改善しました。

 

[1] 調整後純利益と調整後1株当たり利益(希薄化後)は、代替または上位の業績指標とみなすべきものではなく、IFRSに準拠して決定した純利益および1株当たり利益(希薄化後)に関する追加的情報とみなすべきものです。調整後1株当たり利益の計算方法については、英語原文10ページに詳細が記載されています。

[2] フリーキャッシュフローとグロスおよびネットキャッシュポジションの定義と計算方法は、英語原文13ページをご覧ください。

 

インフィニオンについて

インフィニオン テクノロジーズは、暮らしをより便利に、安全に、エコに革新する半導体分野の世界的リーダーです。当社の提供するマイクロエレクトロニクス(超小型電子技術)は、より良い未来の扉を開く鍵となるものです。2020会計年度 (9月決算) の売上高は85億ユーロ超、従業員は世界全体で約4万6,700人。2020年4月のサイプレス社 (本社: 米国) 買収により、世界の半導体メーカー上位10社に名を連ねています。

インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(銘柄コード:IFX)、米国では店頭取引市場のOTCQX(銘柄コード:IFNNY)に株式上場しています。

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  • Dr. Reinhard Ploss, CEO Infineon Technologies AG
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